かがり美少女の中の人ブログ

かがり美少女イラストコンテスト主催者の山内が、好き勝手なことをつぶやいています。

グランドセイコーのブランド力をもっと向上させるには?

日本を代表する腕時計ブランドである「グランドセイコー」が、本格的な世界進出を決定して、1年以上が経過しました。高価格帯の商品を増やし、世界中に直営店を増やして、認知度を高めていこうというものです。

僕は当初、この方針を歓迎していたのですが、どうもここ最近は迷走している印象が拭えません。

時計愛好家の間で賛否両論を巻き起こしたのは、6時位置にあった“Grand Seiko”ロゴを12時位置に移した点でしょう。しかし、初代グランドセイコーや初期のVFAモデルなどは12時位置にありましたから、原点回帰です。それに、じきに慣れると思いますから、大した問題ではありません。

僕が問題視しているのは、売り方です。

グランドセイコーモノ自体は文句なしで良いです。ケースやムーブメントに世界最高レベルの仕上げが施されていますし、精度へのこだわりはとてつもないものがあります。僕も「雫石高級時計工房」や「信州時の匠工房」を見学していますが、職人技は目を見張るものがありました。

しかし、売り方が日本企業らしいというか、とにかく下手くそです。

僕は日本中のグランドセイコーの正規店を回って、販売員の方と話をしてきました。意見をもとに、僕なりにどうすればグランドセイコーのブランド力が向上できるかを、まとめてみようと思います。

 

1:愛称をつけてほしい

ロレックスだと、サブマリーナーデイトナなど、それぞれのモデルに愛称があります。オメガだとシーマスターとかスピードマスター、ブライトリングだとクロノマットとかスーパーオーシャンなどです。

しかし、グランドセイコーはSBGE245だとか、型番しかないのです。この暗号のような型番から、時計のイメージを思い起こすことは無理です。そのため、雑誌などでは「グランドセイコーのダイバーズモデル」みたいな紹介になってしまいます。すごくダサいです。

日本のブランドはこうした無機質な型番で分類しています。愛称を与えているのはミナセくらいです。

これまではセイコーの中のグランドセイコーでしたが、グランドセイコーとして独立したブランドになりました。だったら、サブマリーナー的な愛称をつけてあげるべきでしょう。そのほうが、ユーザーが愛着を持てます。

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 ↑ 文中に出てきた SBGE245 です。ローマ字と数字の羅列で、モデルのイメージは・・・つきませんよね。わかる人はもれなくオタクです(笑)。

 

2:家電量販店で売るな!!!!!

これが、グランドセイコーのブランド化戦略の最大のダメな点です。

従来、グランドセイコーは街の時計店でもどこでも仕入れることができました。ところが、今年からショップ制に移行。年間500万円以上の売り上げ実績をつくり、20本在庫を持つことが絶対条件で、呑めないお店は長年の付き合いがあっても商品を卸さないことにしたのです。

ロレックスやオメガがショップ制にして成功したので、パクったのだと思います。切られた時計店からは文句が出まくっていますが、それでも、ブランド化戦略としては正しいといえます。

しかしですよ!!

一方で「ビックカメラ」や「ヤマダ電機」「ヨドバシカメラ」などの家電量販店で売っているのです。定価ではなく、20%引きで買えてしまいます。「コメ兵」のような中古ブランド品販売店でも正規品が買えます(もちろん割引あり)。

断言します。家電量販店をバッサリ切るべきです。販売店を百貨店と時計専門店に絞るべきでしょう。量販店を切れないのは売り上げの数字をとっているからで、それ以外の理由はありません。ブランド化云々と言っておいて安売りを許すのは矛盾していて、ぜんぜんダメです。

何より、正規店を外された小規模な時計店がかわいそうです。

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↑ 家電量販店では、こんな感じで値引き販売されています。百貨店や時計専門店は原則として定価販売。果たしてこれでブランド力の向上が図れるのか? 画像はネット上からの拾いものです。

 

3:ムーブメントごとに分けて売りましょう

グランドセイコーには「機械式」「クォーツ」「スプリングドライブ」の3つのムーブメント(動力機構)があります。以前はムーブメントごとに分けて、ショーケースに陳列していました。

ところが、最近になって「エレガンスコレクション」「ヘリテージコレクション」「スポーツコレクション」という分類で売るようになりました。分けたのはいいけれど、3つの違いが極めて分かりにくい。スポーツコレクションはともかく、エレガンスとヘリテージはデザインが似通っています。

僕が店頭で「どう違うのですか?」と違いの説明を求めたところ、販売員もよくわかっていない例が多々ありました。「セイコーがこう売るように指示してきましたので・・・」「私どももわかりません」と、説明に躊躇していました。

セイコーの最大のウリって何でしょうか。世界に先駆けて商品化したクォーツであり、さらには世界唯一のスプリングドライブ。これを全面的に推し出さずして、どうするのでしょうか??? 今すぐ、機械式、クォーツ、スプリングドライブの3つに分けて陳列する、従来のやり方に戻しましょう。

これって、明らかにセイコーの担当者が、自社の特長をよくわかっていないからこういうことになるんだよな・・・ と思いました。

 

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↑ 左から、「スポーツコレクション」「ヘリテージコレクション」「エレガンスコレクション」なのだが・・・ 時計にまったく詳しくない状態で、3つの違いがわかるだろうか? ちなみに私の嫁さんは「全部同じに見える」とのことでした(爆)。

 

4:プレザージュの文字盤をグランドセイコーにのせて!

僕がセイコーの腕時計で好きなのはプレザージュです。4万円台~20万円台まで幅広い、いわゆる中価格帯のラインですが、めっちゃくちゃ良いです。おそらく、セイコーのラインでもっともおすすめできるのがこれです。

特筆すべきは文字盤です。とか、琺瑯とか、最近だと七宝の文字盤なども出ていますが、全部良いです。クオリティがあり得ないレベルで高いのです。これぞまさに、メイド・イン・ジャパンの腕時計でしょう。

なんで、これにグランドセイコーのムーブメントをのせないのでしょうか? 日本にしか作れない、世界に発信できる高級腕時計ができると思うのですが???

セイコーのもう一つの高級ライン「クレドール」では、漆の文字盤のモデルを発売しています。グランドセイコーでもやるべきです。日本美に溢れた実用時計、いかがでしょうか?

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↑ プレザージュの漆文字盤(左:SARX029 右:SARW013)。これが10万円台の時計とは思えない高級感がある。セイコーのホームページより引用。

 

まとめ

僕自身、グランドセイコーのユーザーですので、その立場から率直な意見を書かせていただきました。これらのポイントは、僕以外にも、同じことを考えている人はきっと多いと思います。

あと、最近のグランドセイコーはロレックスを意識しすぎていると思います。そのへんを書くと長くなってしまうので、別の機会にしたいと思いますが。

とにかく、日本人としてグランドセイコーは頑張っていただきたいです。といいますか、日本人の時計愛好家にとって、グランドセイコーは精神的支柱になっていると思います。スイスに負けないブランド力を確立してほしいと願っているのですが・・・