かがり美少女の中の人ブログ

かがり美少女イラストコンテスト主催者の山内が、好き勝手なことを書いてストレス発散するためのクソブログです。最低最悪なクソな内容多し。「自己責任」で読んでね( ^ω^ )。商品を買ってくれると僕にお金が入るから、買ってね( ^ω^ )。たまに(いや、かなりの頻度で)嫌な感じのことを書きますが、ゆるしてニャン☆

セイコー・プレザージュ37万8000円(税込)は、いくらなんでも高すぎる!!

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↑ プレザージュは文句なしでいい時計だ。それは間違いない。ただ、この価格はどうなのか。というかグランドセイコーの立場は????

 

グランドセイコーの謎のブランド化戦略

国産ブランドの最大の問題点は、ブランド化戦略がとにかく異常に下手くそな点にある。その筆頭が、ご存知、セイコーだ。

セイコーはフラッグシップであるグランドセイコーを、セイコーブランドから切り離し、独立ブランドにした。ここまではいい。

それまでグランドセイコーといえば、最高の普通というイメージで売り出してきた。それが、ここにきて、ドレスウォッチっぽいものや、スポーツモデルっぽいモデルを積極的に出し始めた。つまり、セイコーが抱えている他のブランド、クレドールとか、ガランテとか、プロスペックスなどと、イメージが被ってしまうモデルが出現したのだ。

最高の普通という個性を打ち出してきたはずのブランドが、なんかロレックスっぽいモデルも出るようになり、あれだけデザイン文法として打ち出してきたセイコースタイルでもはや説明できないような、従来のイメージを覆すようなモデルが登場している。

セイコーグランドセイコーをしっかり育ててきた。しかし、世界戦略に当たり、今まで創り上げてきたブランドのイメージをリセットするような手法をとってしまったのである。

 

▼中級ラインのプレザージュの下克上

セイコーには膨大なブランドがあるのだけれど、近年までグランドセイコーが最上級で、プレザージュが中級、WIREDなどが入門的なポジションだったと思う。

ところが、中級ラインだと思っていたプレザージュに、なんと30万円超えのモデルが出現したのだ。税抜35万円、税込で37万8000円という高価格帯だ。

文字盤は琺瑯で、ムーブメントが新しくなったのはいいのだが、いくら機械式といっても、グランドセイコーのクォーツ(20万円台)より高い。これに数万円足せば、グランドセイコーの40万円台の機械式が買えてしまうのだ。

ちなみに、機械式グランドセイコーで定価最安のSBGR253は、税抜40万円、税込43万2000円である。税込でも価格差が6万円以下だ。

これ、ひょっとしてプレザージュの七宝とか漆の文字盤で、新型ムーブメント載せたモデルが出たら、グランドセイコーの機械式の最安モデルと肩を並べるか、定価を抜く可能性も出てくる。プレザージュの下克上みたいになってしまい、セイコーの中でブランド同士が喧嘩してしまう状況だ。いったい何を考えているのか???

 

▼収拾が付かず、ごっちゃになっている

グランドセイコーにもクレドールみたいな華やかなモデルができたし、さらにプロスペックスみたいなスポーツ系のダイバーズモデルもできた。そして、以前にクレドールで出していたようなクロノグラフもできた。

もはや、収拾がつかなくなっている。場当たり的にモデルを出しまくっている印象が拭えない。

この調子で今後のブランドの世界戦略など、うまくいくのだろうか。不安しかない。僕は、はじめはグランドセイコーの世界進出を歓迎していた。しかし、それはきっちりとブランド化戦略ができることが前提であった。ここまで迷走して、日本のブランド化戦略のダメっぷりを露呈するとは、夢にも思わなかった。

こんなんだったら、今まで通り、国内でしっかり堅実に腕時計を売っていた方が、良かったような気がするのだが・・・

 

 

 

パチモンのデイトナ着けて婚活する痛い男と出会った、後輩女子の話

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↑ 見栄を張るのはダメです。特に、パチモンのロレックスをつけて婚活をするなど、言語道断です。

 

僕の後輩で、一緒に「三重の名店」までロレックスのデイトジャストを買いに行き、なんと15分で即決で買って店主を驚かせた、某東証一部上場企業社員で秋田出身の女子がいます。彼女(Rさんとしておきましょう)は秋田美人で凄くかわいいのですが、なぜか彼氏ができません

というわけで、Rさんの彼氏、大募集中です(僕まで連絡をください)!!!

んで、Rさんは婚活サイトに登録して、彼氏を募集しました。そのうちの1人に会ったのですが、まあそいつがかなりの “だめんず”(死語)でした。

初めて顔合わせしたのは東京駅の赤レンガ駅舎の中にある「東京ステーションホテル」です。実はRさん、今まで付き合ってきた彼氏と飯を食ったり喫茶したときはほぼ割り勘だったそうです。今回の男はお高い喫茶代をクレジットカードで シャッ! とお会計したので、いい感じだなあと思ったそうです。

というか・・・ これほどの美女を相手に割り勘してしまう今までの男って(以下略)

・・・話を戻します。

2回目の顔合わせの時、男が秋田まで来てくれたそうです。ちなみに過去の男は一度も秋田に(以下略) というわけで、脈ありかな~と思ったそうですが、その男がつけていたのが素晴らしいパチモンのロレックスでした。このブログに載せているアイスブルーのデイトナが、その実物の写真です。

これ、本物だったら7,722,000円もする時計です。そんなの着けている男だったら、かなりのセレブか御曹司と思ってしまうのです。Rさんと男の会話のやりとりは、こんな感じだったそうです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

R「それ、珍しいロレックスですね!」

「ちょっと変わった時計になりますもんね~ ニューヨークに行ったときに直営店で購入しました」

R「この時計が置いてある店舗を追い求めている知人がいまして。店舗名とか教えていただけませんか」

「たぶん、どこの店舗にも店員さんに言えばあると思いますが、東京で良ければ銀座店が一番品ぞろえが良いと思いますよ」

R「滅多に持っている人にお目にかかれないので、レアですね!」

「確かに、この型のものを持っている人になかなか出会ったことはないですね」

R「中古もどんどん値上がりしているみたいなので、店に置いてあったらラッキーですね」

「そうみたいです。新たな時計職人が減っているとのことなので、貴重みたいです。店員さん曰く、人気が高騰しているみたいですからね・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

はい! いろいろ突っ込みどころ満載ですねwww

Rさんには僕が相当に時計の知識を植え付けましたし、本人も相当に勉強しているので、突っ込んで聞きまくったのです。うさん臭さ満載です。

ちなみにこのとき、Rさんは「三重の名店」で買ったデイトジャストを着けて行ったのですが、男はまったくそれに気づきませんでした(爆)。というわけで、時計の知識が1ミクロンもない奴であり、見栄を張るためにパチモンを着けていたということがわかります。

とにかく、パチモンのロレックスを着けている奴は、問答無用で胡散臭いです。気を付けましょう。仕事で出会ったら即、関係を断ちましょう。婚活で出会ったら、もちろん論外です。Rさんはもちろん、この男と連絡を断ちました。

そんなわけで、Rさんにはまだ彼氏がいません。

Rさんの彼氏、大募集中です!!!!!!!!

かわいいですよ!!!!!!!!!!!

おすすめです!!!!

 

REAL ROLEX(22) (CARTOPMOOK)

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商業捕鯨再開は素晴らしいことだ

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クジラの肉は美味い!!!

クジラの肉は美味しくないと言っている人がいますが、俺は子どものころ、クジラの肉が大好きだった!!

和歌山でクジラの刺身食った時はあまりの旨さに感動した!!

早く流通しまくって、クジラがどんどん食えるようになってほしいぞ!!

もちろん、食う時はクジラに感謝して食わねばならない。

「いただきます」「ごちそうさま」が基本だぜ!

 

闇営業で謹慎した、ある吉本芸人と仕事をした話

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特殊詐欺グループの会合に出席していた“闇営業”事件で、宮迫博之さんら多くの吉本芸人が謹慎に追い込まれてしまった。

GOETHEのインタビュー記事によれば、宮迫さんといえば「芸人時計部」の会長だそうである。嫁さんから怒られるほどの物凄い高級腕時計のコレクションを持っている。今回の事件で、腕時計の行方が気になってしまうのは、僕だけではないだろう。

さて、吉本芸人はしばし、ギャラが安いと言われる。厳密にいえば、仕事でクライアントから支払われたギャラのうち、会社側の取り分が多く、芸人の取り分が少ないのだ。芸人:会社=1:9と言われることもある。超売れっ子には適用されないケースもあるだろうが、いくらなんでも、これは芸人が不利すぎる条件だ。

僕は、今回の事件で謹慎されたある吉本芸人と仕事をしたことがある。名前は出さないでおくが、一般に名前が知られている芸人さんだ。その内容は1日まるまる拘束し、屋外で写真撮影をして適宜コメントをいただくような、大掛かりなロケだった。

にもかかわらず、出版社が提示した謝礼はたったの4万円。僕はそれを聞いて唖然としたのだが(ちなみに僕のライターのギャラも死ぬほど安かった)、芸人さんは終始丁寧に対応してくれた。取材後には丁寧な手紙までくれた(これはかなり感動した)。プロ意識を感じさせる方だった。

それにしても、たった4万円で、こんな有名な人が来てくれるのかと驚いた。そのうち本人の取り分が1割だとしたら、たったの4千円である。これだったら、バイトした方が楽だよと思ってしまう。

よく、国会議員や公務員の給料を下げろという人がいる。しかし、こうした立場の人の給料を安くすると確実に賄賂が横行し、国民に不利な暗黒の社会になっていくだろう。これは芸人も同じだ。ギャラが安すぎるから、事務所を通さない仕事、すなわち闇営業に走るのだ。安いギャラで規律が守られるわけがない。

吉本興業の労働条件はブラック企業そのものだが、それでも吉本に入りたがる人が減らないのは、専用の劇場を持ち、露出の機会が圧倒的に多いためである。事務所も芸人の替えがいくらでもいる状況で、あらゆることが甘々になっていたのは間違いない。

宮迫も今でこそ高級腕時計を買いまくれるくらい儲かっているかもしれないけれど、将来の不安があるのだろう。だから裏社会との繋がりを作ろうとしたり、闇営業に手を染めてしまうのだ。もちろん本人の問題が大きいのだが、芸人だけを責めて、事務所の責任が追及されないのはいかがなものだろうか。

吉本興業にしても、ジャニーズ事務所にしても、日本を代表する芸能事務所が問題を起こし過ぎている。かつては甘々でもよかったかもしれないが、ネット社会になり、コンプライアンスがうるさくなっている。この機会に労働条件や契約などの見直しが必要だろう。根本から変えないと何も変わらないのだ。今回はいたく真面目なオチになってしまった。

 

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パチモンのロレックスを着けている人にはマジで要注意だ

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↑ 僕の後輩の女の子が婚活サイトで知り合った男が着けていた、パチロレ。デイトナのアイスブルーのパチ。極めて分かりやすいパチです。パチロレとわかったおかげで、後輩は変な奴と付き合わずに済みました。

 

▼パチロレ着用者には気をつけまくれ!

今回は珍しく有益な話をします。タイトルに書いた通りです。

パチモンのロレックスを着けている人、本当に多いです。

気を付けましょう。

僕はライターの仕事を通じ、これまでに芸能人や経営者などいろんな人に会ってきましたが、実に多いです、パチロレ愛用者。次に多いのはパチウブロでしょうか。彼らがパチロレを使う目的は共通していて、見栄を張りたいためです。ロレックスは見栄張りのために使われやすいアイテムです。

例えばツイッターで見つけた痛い人がUPしていた、以下の画像をごらんください。

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はい、見事にパチばっかりだぜ!!

で、この人はなんかよくわからない投資をやっているようです。自分が投資ですげー勝って、その金でロレックスを買っているんだよと誇示したいのかもしれない。しかし残念ながら瞬時にわかるパチなのでした。

 

▼出来の悪いパチを使っている奴が多い

パチロレにもいろいろあり、完成度に差があります。

パッと見ただけではわからないほど、精巧に作られているものもあります。しかし、そこまで出来のいいものは、例えばヤ〇ザが中古時計店や質店を騙して金を騙し取るなど、相当に悪質なことをするために使うものです(この手の行為に使われる凄いパチを見たことありますが、正直、わからなかった)。

一方で、見栄張り系の人たちが使うのは、極めて稚拙なパチであることが多いです。ですから、遠目で見ても、ああこれはパチだなとわかってしまいます。

例えば、デイトナのクロノ針が秒針になっているものとか、ヨットマスターのプラチナのベゼルがやけに黒ずんでいたりとか、GMTマスター2のベゼルのフォントが変なやつとか・・・ ロレックスのデザインって絶妙な黄金比でできているので、稚拙なものは慣れると見抜けるようになります。

もしくは「それロレックスですよね」と聞くと、「ああ、これは〇国で買ったパチですよ!」と潔く告白する奴もいます(笑)。おいおい。

 

▼投資詐欺に誘導している?

パチロレを見栄張りのために使う場面もまた様々です。一般的には、単純に友人や周りに対して使われるパターンが多いでしょう。

また、婚活で知り合った異性に対いて、金を持っているアピールをする用途にも使われることもあります。今度詳しく書こうと思いますが、後輩の女の子が婚活サイトを通じて、パチロレを着けた男に会ったことがあります。この記事の最初に上がっているパチデイトナの写真が、その実物です。

ツイッターにはパチロレの画像がたくさん上がっていて、見ているだけで結構面白いです。さきのパチを載せている人はどうなのかは知りませんが、別のアカウントでは、投資詐欺とかに勧誘するのが目的で、儲かっているアピールをしている奴もいます。

実は、僕はこの手の詐欺をしている奴に会ったことがあります。腕には金無垢のヨットマスター。もう、一発でパチとわかるレベルでした。別件で取材した人でしたが、パチロレ付けていて、こいつ怪しいなあと思っていたら、インタビュー後、いきなり投資話を始めたのです。

 

▼パチロレ着けた詐欺師の末路

僕はうんうんと頷きながら聞いていました。そして、最後にサラッと、この質問をしました。

「そういえば、〇〇さんっていい時計していますよね。それはロレックスですか?」

「そうそう。これはデイトナって言ってさ、(投資の)利益で買ったんだよ。山内さんもこういう良い時計買えるようになるかもよ!」

・・・ツッコミどころ満載です(爆)。まずそれ、デイトナじゃなくてヨットマスターのパチだし。そして何より、俺はそのときデイトナ(ステンレスだけど)着けて行ったんだけど・・・こっちの時計には興味なさそうだったし。もう話にならないと思いました。

数か月後、そいつは詐欺でドナドナされました(爆)。

僕が時計の知識を多少知っていて得た教訓は、パチロレを着けている奴には近づくな、ということです。時計では相手の性格なんてわからないと言いますが、そんなことはありません。パチロレをつけている奴は満遍なく怪しいです。パチロレを見抜く訓練をしておくと、意外なところで役立つ可能性がありますよ!

 

 

正しいロレックスの愛し方 (ワールドムック№1199)

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ロレックスの正規店と並行店を訪れる客層が変わった?

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▼なぜデイトナランナーは嫌われるのか

このブログでデイトナランナーについてあーだのこーだのと書いたら、かなり当事者から反発を喰らってしまいました(笑)。いっぱいブロックされました。たーのしー!

当事者は全力で否定しますが、デイトナランナーを嫌っている正規店の店員は多いです。もちろん、デイトナランナー本人に対してははっきりとそんなこと、言うわけないでしょうけど。

正規店がデイトナランナーを嫌う理由は明白です。その時計店にとって長い付き合いになる顧客では、絶対にないからです。

 

▼時計屋と客はどういう関係なのか

時計店は売って終わりというビジネスではありません。その後、顧客と店は、オーバーホールなどで長い付き合いになるのです。そのため、正規にこだわって頑なに買う人も多いのです。

ところが、デイトナランナーは、並行店の価格が正規店より高いからランナーをやっているだけに過ぎません。まあ、そりゃデイトナなんかは2倍以上の価格差がありますから、ランナーをする気持ちもわかります。

ただ、彼らはどの店であっても、どんなクソな対応をしてくる店員であっても、レアモデルさえ出してくれれば目を輝かせて買うような人たちでもあるのです。店との付き合いとか、店員との関係など、ほぼ眼中にありません。

一方、この品不足にもかかわらずロレックスやパテックフィリップのいわゆるレアモデルを優先的に買うことができている人は、時計店とじっくりと信頼を築き上げてきた人が多いのです。

 

▼客層が大きく変化した?

某時計店の店員によれば、正規店を訪れる客層が大きく変わったそうです。

5年ほど前、デイトナ以外のスポーツロレックスが普通に買えた時代までは、安く買う人は並行店で、店やブランドとの付き合いを重視する人は正規店で・・・と、ある程度の棲み分けができていました。そのくらい、かつては並行店と正規店の価格差が大きかったからです。

ところが、並行店の方が高くなってしまった今、安く買いたい人が正規店に行くようになってしまったのです。そして、値段を気にせずにとにかく目当てのものが欲しい人が並行店で買うようになりました。

今、並行店でロレックスをプレミア価格で買えるのは、セレブか、某国から来るバイヤーです。客層がまったく逆になってしまったのです。

 

▼ランナーは安くなったら並行で買う

デイトナランナーはデイトナが並行店に並ぶようになれば、確実に並行店で買うでしょう。そして、レアだというだけで飛びついているパターンの人が、相当数、買いに走っていると思われます。

したがって、簡単に手に入るようになれば、ロレックスそのものに興味がなくなる人も多いのではないでしょうか。

ですから、正規店にとっては、決してありがたい存在ではないのです。

時計店の店員は、毎日在庫確認をしにくる客の対応で確実に疲弊しています。あれほど膨大な量の問い合わせに、笑顔で対応するのは苦しいでしょう。もちろん、デイトナランナーをするのはその人の勝手でしょう。ただ、ある程度は、店員の苦労を理解したうえで行うのが良いのではないかと思います。

 

REAL ROLEX(22) (CARTOPMOOK)

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1990年代初頭、タグ・ホイヤーの伝説のパーティー

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▼かつては高級腕時計がどこでも買えた

現在、腕時計業界は景気がいいのだろうか。僕は数々の時計屋にインタビューをしてきた印象だと、まあ、確実に景気はよくないだろうと思う。

現在、いわゆる高級腕時計を扱えるのは都市部にある一部の資本力のある時計店や、百貨店に限られつつある。一方で、ほんの20年前くらいには、地方の小さな店でも高級腕時計を扱っていた。つまり、全国津々浦々で、それだけ売れていたということである。

日本人の多くが腕時計を買っていた90年代ごろまでは、個人経営の時計店であっても、一定の売上があればメーカーや問屋が協力して、大々的なフェアを開催していた。そして、今では想像ができないくらい、イベントやフェアのやり方も派手だった。

メーカーが正規店を絞ったのは高級化のためでもあろう。その一方で、取り扱い店を絞れば、それだけ営業の手間が省けて、人件費やコストの削減になる。余裕がない、ということの表れではないか。

話を戻そう。東京のある商店街にある時計店は、タグ・ホイヤーの正規店だった。90年代当時はワールド通商が正規輸入代理店で、そのフェアも豪華極まりないものだったという。

 

タグ・ホイヤーの凄いフェアの内容

店主の話をもとに、当時のフェアの様子を再現してみよう。

ワールド通商から提案されたタグ・ホイヤーのフェアの期間中、店内には金無垢の特別なモデルからレギュラーラインまで、100本以上のモデルが並ぶ。そんなのはまだ序の口で、店のエントランスから店内の内装まで、すべてをタグ・ホイヤー仕様のディスプレイに改造してくれたのだという。エントランスには儲けられるのは木製の豪華なゲートだ。タグ・ホイヤーの世界観が店内外に展開される、凄い仕掛けだ。

極めつけは、当時のワールド通商の社長の、この提案だ。

マクラーレン、貸しましょうか? フェアの期間中は店内に飾っていいですよ」

「いやいや、そんなのうちの店内に入りませんって!!」と店主は断ったそうだが、後日、試乗させてもらったそうである。聞けば、当時タグ・ホイヤーアイルトン・セナのスポンサーを務めていた関係で、ワールド通商の社長が買ったものだそうだ。つまり、私物の貸し出しというわけだ。

これは百貨店の催事ではない。ワールドウォッチフェアなどのイベントではない。東京都内とはいえども、小さな個人経営の時計屋での話である。それだけメーカーも、代理店も、国内での販売に力を入れていたのだ。

 

▼小売店向けのパーティーの誘い

この時計店は、タグ・ホイヤーの都内有数の正規店だった。店主は90年代初頭に、忘れられない体験をしたと当時を振り返る。

ワールド通商の営業担当から「売店向けのパーティーを開催しますので、いらしてください」と話があった。しかも「絶対に来てください」と念を押されたという。店主はなんだか意味深だなと思い、会場の帝国ホテルまで出かけた。

会場には全国から小売店の関係者が、200人くらい集まっていた。まず会場に入って驚いたのが、アイルトン・セナがチャンピオンになったときに乗車した、マクラーレンの実機が恭しく展示されていた。もちろん、これだけで店主の興奮は最高潮だ。

テーブルに付くと、料理も豪華だった。帝国ホテルの普段のありがちなバイキング料理とは明らかに異なる、鮨から肉まで、何もかもが異常に美味い。気合の入り方が違う、明らかに通常とは違うパーティーだと、直感したという。

 

▼パーティー最大のメインイベントへ

他の店主と歓談をしていると、いきなり室内の照明が真っ暗になった。

店主は「停電かな?」と思ったという。すると、ステージ上にスポットライトが当たった。そして、レーシングスーツを着た人物が現れた。

アイルトン・セナ、本人だった。

店主は目を疑った。まさか本人が来るわけがない、よくできた蝋人形じゃないのかと思ったという。しかし、会場が一斉にざわつき始め、本物であるとようやく理解できた。レーシングスーツを纏い、ヘルメットを抱えたセナの姿は、オーラが違っていた。今でも忘れられないという。タグ・ホイヤーの正規店をやっていてよかったと、感無量だったと話す。

その直後、1994年、サンマリノグランプリでセナは事故死。34歳と言う若さで、帰らぬ人となった

 

▼伝説を目の当たりにした店主の店のその後

ロレックスやパテック・フィリップなどと同様に、タグ・ホイヤーもまた、正規店を大きく削減している。扱えるのは資本力のある時計店、もしくは百貨店に限られている。

セナを目の前で見るという衝撃的な体験をした店主の店も、正規店から外れた。というより、そのイベント会場にいた時計店の多くが、正規店ではなくなってしまった。そして、タグ・ホイヤーの正規輸入代理店もワールド通商ではなくなった。

金無垢のタグ・ホイヤーを売りまくり、フェアまで開催し、正規輸入代理店の社長からマクラーレンの実機を貸しますよと言われた店が、正規店から外れてしまう。時計業界の現状は、ひょっとすると、出版不況といわれている書店の業界よりも深刻なのかもしれない。

売上に貢献したお店をバッサリと切ってしまい、大きな時計店や百貨店に取扱店を集約させるのは、ブランド化という点では正解なのかもしれないが、果たしてそれでいいのだろうかと考えてしまう。

少なくとも言えるのは、現在の高級腕時計と呼ばれるブランドは、商品の魅力や、作りの良さだけで、現在の地位を築いたのではないのである。その陰には、こうした小さな時計店の努力があったのである。